続・道をひらく
PHP研究所
四季に寄り添い 言葉が心を 静かにひらく
560万部突破のベストセラー『道をひらく』の続編。 1978年末に刊行。人生の真髄とこれからの社会のあり方をしみじみと綴った座右の書。 合計116編からなる本書は、1年12カ月、各月それぞれを章として計12章で構成。各章ごとに季節感のある文章を楽しむことができます。 悩んだとき、心を落ち着かせたいとき、四季折々の、美しくどこか懐かしいこの日本語にふれてください。 読んでいると気持ちが落ち着き、前を向く勇気と元気が湧いてくることでしょう。 「心に期す」 濃い紫の東の空が、いつのまに水色に変わってきたかと思うまもなく、葉を落とした樹々の間から、数条の光がサッと流れ出る。霜がきらめき、身が引きしまる。きびしい寒気のなかの、リンとした元日の朝である。 思い出す。若き日のいつであったか、こんな夜明けを迎えたことを。あの日あのとき、何か心に期するものがあったのか、腕を組み、顔をあげ、凍るような大地に足をふまえて、まだ暗い東の空を凝視していた。 祈るようなその顔を、一瞬、真紅に染めあげた一条の旭光。思わず身ぶるいがして、こぶしを固くにぎりしめる。そしてあふれるように思いがわき出てきたあの感動の夜明け。 新しい年の始めである。新しい世紀に向かっての年の始めである。人それぞれに、心に深く期するものを持たねば、この年の歩みがふみ出せそうにない。 そんなきびしいこの年の始めである。 だからこそ思い起こそう。いつかの日のあのあふれるような感動の朝を。 (『続・道をひらく』より)
睦月 如月 彌生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神無月 霜月 師走