儲かる! 米国政治学
PHP研究所
政策が動けば 市場が動く 米国政治は実学だ
2020年の民主党のトリプルブルー(大統領選と上下両院選の勝利)、16年の共和党トランプ当選の両方を当てた国際政治アナリストが記す最新の見取り図。 「筆者の仕事の一つは、金融機関の株式・債券・為替の運用者の方々に『現在進行形で起きているor中長期的に起き得る米国政治の事態』を解説することだ。この仕事に必要とされる知識・ノウハウは、米国政治全体の構図を理解して、そこに働く政治力学を分析して妥当な未来予測を行うことである」(本書「はじめに」)。 民主党・共和党の性格の違いや予算の決め方、政府高官人事、インフラや半導体の経済・産業政策、そして戦争をめぐるスタンスを解説。さらに22年の中間選挙、24年の大統領選挙までを射程に入れ、「すでに起きている未来」を日本人に伝える。 グローバル化の時代に米国の動きを知るのは、世界の現状を知ることとほぼ同義である。毎日のニュースを読み解くための「実学書」。
はじめに 第1章 米国の政策を知る5つの勘所 第1節 予算はどうやって決まるのか 民主党・共和党の違いを表す「予算教書」 裁量的経費の増減 役所を肥大化させてカネを寄こせ 政府は何もするな パワフルな連邦議会──「大統領の予算はすでに死んでいる」 パワーゲームのプロセス 民主党下院の3つのイデオロギー派閥 共和党下院のイデオロギー派閥 議員を格付けする立法スコアカード 第2節 規制政策と大統領令 民主党は規制強化、共和党は規制廃止 ブルッキングス研究所の「Reg Tracker」が一目瞭然 「赤いテープ」を切ったトランプ 規制の新設・改廃に伴う経済コストの増減結果 ターゲットは事前に決まっている 政策の方向性は大統領令で分かる フランクリン・D・ルーズベルトが生んだ無数の規制 トランプ政権が断行した規制改革 民主党は規制に関するコストに無頓着 第3節 外交・安全保障のプレイヤー 民主党・共和党・ネオコンのイデオロギーを知る 自国の連邦政府に対する不信感 イジメっ子に人権を説く ネオコンは民主党・共和党の双方にいる 米軍の意思は「原子力空母がどこにいるか」で分かる アフガン・中東に対する国内の厭戦ムード 戦争に耐えられない高コスト体質 第4節 政府高官人事 きわめて重要な指名の情報 バイデンの承認ペースはトランプと変わらず 民主党の左傾化と上院の与野党拮抗が原因 人種を巡る人事上の激しい鍔迫り合い フロノイ女史の登用はなぜ見送られたか 留まらないヒスパニック系の不満 任期中匕首を突きつけられていたトランプ トランプの潜在的な対立候補だったマティス 第5節 選挙資金と司法人事 記録的な額だった2020年の選挙資金 米国の選挙戦はマネーゲーム 決定的な変化はオンラインの小口献金 民主党は業界団体と左派系有権者の影響を受け続ける コロナ禍を恐れない共和党ボランティアスタッフの努力 連邦裁判所判事の任命に関する実績が評価に 恣意的な政治任用 第2章 バイデン政権の分析と見通し 第1節 バイデン政権の経済政策 インフラ投資政策をめぐって 共和党保守派による徹底的なダメ出し マンチン上院議員の裏切り 議会進歩派連盟との妥協案作りに奔走 中間選挙のキャンペーンのネタに 対中競争法案の狙い 安全保障の必要性を強調すると政策が通りやすい 半導体予算はバイデン政権の重要な選挙対策 インフレ対策とエネルギー価格 「私がやりました!」 グリーン産業はいばらの道 輸入品価格の引き下げと減税見直しは不可能 唯一のカードはイラン核合意の再建 スタグフレーションの恐れ 第2節 米国の産業構造に関する攻防 米国の雇用慣行を一昔前まで逆戻りさせる 労働者の味方を喧伝した稀有な共和党大統領 労組がバイデン大統領を支持する理由 米国から雇用を奪う可能性 連邦国有地を巡る攻防 「新たなエコ利権」を発生させていく ビッグテックに対する厳しい目線 一線を越えてしまった保守派コンテンツへの検閲 第3節 覇権国家の地位を巡る攻防 アフガン撤退というレガシーの誘惑に抗しきれなかった 軍事的現実を外交的儀式としか捉えていない 民主主義サミットの大失敗 シンガポールまで招かない 中国にASEAN切り崩しの取っ掛かりを与える インド太平洋地域への外交・安全保障のシフトを後回しに 進むレアアースのサプライチェーン見直し 中国の産業スパイ対策は本気 小さな侵攻は事実上容認 2つに割れる米国民世論 スプラトリー諸島や尖閣諸島への米軍駐留を求めること バイデン政権の国境管理政策は崩壊 期待値を使い果たしたハリス副大統領 アルゼンチン、ボリビア、ペルー、チリに左派政権が誕生 第4節 深刻化する政治的分断の有様 薄っぺらなトランプ批判 陰謀論の背後に選挙制度の問題が 選挙マーケティング技術の高度化 コンテンツ制限でさらに政治的分断が激化する 「目覚め」と「文化戦争」 第3章 2022年中間選挙・2024年大統領選挙 第1節 2年後の大統領選挙を占う連邦上院議員選挙 議席交代の州は限られる 裏テーマは州知事の出馬 再選が固い選挙に穴が ルビオ議員が落選したら対中政策にも影響が 2024年の大統領選挙の接戦州にもなる 第2節 加速する「政治的分断」連邦下院議員選挙 世相をダイレクトに反映 下馬評を覆した選挙区の線引き 地図情報に基づく選挙区調査と法廷闘争の組織 米国政治3つの大変革 下院での共和党勝利でさらに混乱状態に イデオロギー闘争で上院・下院の意思疎通が困難に 第3節 トランプ&カマラ・ハリスの影響力低下 オンライン献金額で推し量れる トランプ前大統領に対する飽き ハリスに無理筋の仕事を押し付けるバイデン 株を上げるブティジェッジ 第4節 バイデン政権後期(2023~2024年)の見通し タイムアップの迫るバイデン オバマ大統領を参考に「行政協定」を推進? 毛嫌いしていたトランプと同じに 第5節 2024年大統領選挙の見通し すでに起きている未来 2024年連邦議会上院議員選挙の共和党勝利はほぼ確定 内実が欠落した政権が継続する トリプルレッドで大軍拡の示唆 連邦議会主導の「親中派狩り」が起きる可能性 今度は民主党左派の過激派が連邦議会議事堂に突入? おわりに