大東亜戦争の事件簿──隠された昭和史の真実

大東亜戦争の事件簿──隠された昭和史の真実

早坂隆

扶桑社

事件から知る 教科書にない 昭和の真実

日本人なら知っておきたい…… 出航した疎開船が魚雷攻撃を受け、命を失った多くの子供達。終戦前後、壮絶な虐殺の対象とされた満洲や朝鮮半島で暮らしていた民間邦人。歴史の転換点となった、その時には知られなかった事件の数々……戦後、敗戦国では数多くの人々が戦犯として裁かれた。その一方で多くの庶民が戦勝国の“戦争犯罪”の被害者になったことや、戦時下で歴史を変えることになった重大事件の実態については、あまりにも知られていない。 歴史とは「事件の集積」である。一つの事件が次の事件を呼び、また別の事件を誘う。その「流れ」を的確に把握することが、奥行きのある多面的な歴史認識の醸成に繋がる。様々な事件の発生要因や経緯、その後の展開などを理解し、歴史へのまなざしを柔軟に広げていくことが肝要である。 歴史は常に複眼的に見なければならない。無論、いくつかの事件を恣意的にタブー視することなど、もってのほかである。そのうえで大事なのは、先人たちへの鎮魂や哀悼の気持ちを穏やかに育んでいくことである。この行為への共鳴なくして、「歴史を学ぶ」ということにはならないのではないか。 人間社会が保つべき温もりとは、そういった姿勢から湧き出ずるものであろう

早坂 隆 (はやさか・たかし) 1973年、愛知県生まれ。ノンフィクション作家。大磯町立図書館協議会委員長。 主な著作に『指揮官の決断 満州とアッツの将軍 樋口季一郎』『永田鉄山 昭和陸軍「運命の男」』『ペリリュー玉砕』(いずれも文春新書)、『昭和史の声』(飛鳥新社)などがある。『昭和十七年の夏 幻の甲子園』(文藝春秋)でミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞。 【公式ツイッター】 https://twitter.com/dig_nonfiction

序章  排日・侮日事件 第一章 通州事件 隠された大虐殺 日本人は人間じゃない 暴徒化する保安隊 子供までもが殺戮の対象に 娘への暴力 老人や妊婦までも 銃殺場の光景 「死の街」通州 第二章 南京事件・黄河決壊事件 大山事件から上海戦へ 南京戦へ 掠奪者の正体とは? 大虐殺はあったか? 便衣兵の存在 十二月十六日の記録 幕府山の捕虜 軍紀と治安 黄河決壊事件 日本軍による救助活動 第三章 オトポール事件 樋口季一郎によるユダヤ人救出劇 ナチスドイツを非難するスピーチ 新聞紙上での発言 ユダヤ難民の出現 難民に特別ビザを発給 ヒグチ・ルートの継続 ゴールデンブックへの記載 第四章 ノモンハン事件 明らかになってきた実像 大規模な戦闘への拡大 辻政信少佐の登場 第二次ノモンハン事件の勃発 増えていく戦死者 重砲兵部隊の投入 停戦を巡る思惑 第五章 ゾルゲ事件 共産主義勢力によるスパイ事件 リヒャルト・ゾルゲという男 日本での暗躍 政府中枢への進入 ノモンハン事件との関連 ドイツ大使館の情報もソ連に 共産主義者たちの夢 絞首台へ 第六章 海軍甲事件・乙事件 連合艦隊司令長官・山本五十六 世界を驚愕させた真珠湾攻撃 海軍甲事件 海軍乙事件の始まり 低気圧との遭遇 ジャングルへの連行 機密文書の行方 第七章 対馬丸事件 疎開中の子供たちを襲った悲劇 那覇からの出発 笑顔を見せる子供たち 迫り来る危機 魚雷攻撃 沈没 漂流者たち 増えていく犠牲者 沖縄戦へ 第八章 尖閣諸島戦時遭難事件 戦時中の尖閣諸島で起きた秘話 次々と奪われる民間人の命 尖閣諸島・魚釣島へ 無人島生活の始まり 飢餓地獄 決死の脱出計画 魚釣島から見えた「日の丸」 帰還後に起きた悲劇 第九章 葛根廟事件 ソ連軍による大虐殺事件 一方的な侵攻 興安街への空襲 ソ連戦車部隊による攻撃 殺戮の地獄絵図 自決する人々 母子心中事件 さらなる逃避行 第十章 北海道占領未遂事件 ヤルタ密約の存在 ソ連軍による南樺太への侵攻 大平炭坑病院の看護師たち 集団自決事件 真岡郵便電信局事件 占守島の戦い 池田末男大佐 士魂部隊の活躍 分断国家化を防いだ戦い 第十一章 三船殉難事件 引揚船への襲撃事件 「小笠原丸」の事例 「第二号新興丸」の事例 「泰東丸」の事例 約一七〇〇人もの犠牲者 潜水艦の正体 第十二章 引揚者受難事件 涙の水葬 避難列車への機銃掃射 夜間の逃避行 引き裂かれる母子たち 収容所での生活 女性たちの被害 朝鮮半島からの引揚者 三十八度線を目指して 第十三章 元日本兵連続割腹事件 相次いだ割腹自決 サイパン戦の勃発 武士の魂 とある陸軍航空技術中尉の決意 肥田様塚の建立 遺書なし不忠の臣 青年将校の最期 軍属の自決 第十四章 抑留者洗脳事件 洗脳紙『日本新聞』を読む 東條英機が死亡? ソ連への礼賛 日本批判への誘導 抑留者たちの証言 強まる天皇批判 相互監視体制 過激さを増す紙面 「天皇島上陸!」の声 あとがき