老いと死の流儀
扶桑社
老いをどう生きる 死と向き合う作法 人生の締めくくり
「人生の意味」から解放されれば楽になる 78歳の生物学者が語る “老いと死”の本当の話 「老い」を否定的に考える人も多いが、加齢に伴う身体の衰えや病気はそもそも「仕方のないこと」。だからこそ、抗うのではなく受け入れて、今の自分にとってちょうどいいことを無理なく適当に楽しむ。『ホンマでっか!? TV』でもおなじみの“生物学の専門家"池田清彦が、「老い」と「死」の正体を生物学的、社会的観点から解き明かし、「適当」に生きて「自然に」死ぬための最適解を伝える一冊。 ●人間の「本来の」寿命は38歳 ●長生きのカギは「食べすぎないこと」 ●健康診断は過剰なストレスの元になりかねない ●「定年」は社会が押し付ける老いの象徴 ●「今を楽しく生きる」ことこそが本当の終活 ●知らなかった楽しさに出会える贅沢 ●死ぬ能力はより良く生きるための能力.
第1章 「老いる」とはどういうことか? 人間の細胞は生まれ変わり続ける 細胞分裂時のミスコピーで突然変異が起こる 心臓や脳ががんにならない理由 がんのリスクがある臓器は再生できる可能性も高い 加齢によって遺伝子に不具合が起こりやすくなる ハダカデバネズミがほとんど老化しない秘訣とは? 遺伝子がそこにあるだけでは、何も起こせない 遺伝子の発現を制御するエピゲノムという仕組み 老化の主原因はエピゲノムにあり? 遺伝子の発現になんらかの問題が起こるのが老化 人間の「本来の」寿命は38歳 細胞分裂の回数にも実は限界がある うまくいけば迎えられそうな「最終到達地点」は何歳か? 第2章 長生きに「効くかもしれない」こと 「自然選択」は人間が寿命を延ばすことに味方しない 長生きの鍵は「食べすぎないこと」 オートファジーが細胞を若返らせる仕組み 週に1〜2回の16時間断食で寿命が延びる!? 適度なストレスが体を鍛える「ホルミシス効果」 細胞の若さと機能を保つ「サーチュイン遺伝子」 体にやさしいのは「規則正しく過ごすこと」 「ちょっと面倒くさい」くらいが適度なストレスになる 「面倒くさいけど、仕方ないな」と思えるならやったほうがいい 老化対策も健康法も効くかどうかは運次第 必要以上に医療に頼ると体の毒になることも 「いつもと違う」「不調が長く続く」のは危険信号 〝何が体にいいか悪いか〟には個人差がある 身の回りの人が指摘する「異変」もバカにできない 健康診断は過剰なストレスのもとになりかねない 「基準値」は絶対的な医学的必然によるものではない 治る人は治るし、死ぬ人は死ぬのが「がん」 超早期発見を実現させる「マイクロRNAがん検査」 がんの積極的な治療が命を縮めるケースもある がんになったらどうするかは、実際になってから考える 年を取るとただの骨折が命取りになりかねない 老化を素直に受け入れれば気が楽になる 第3章 社会がつくり上げる「老い」 「定年」は社会が押しつける老いの象徴 社会システムは個人差への配慮をしない 「老いの線引き」は会社の都合で決められる 「社会的な老い」は便宜的なラベルにすぎない 老いそのものを害と見なす悪しき風潮 制度の不備を高齢者に押しつけるな 免許返納のプレッシャーに屈する必要はない 「老いの枠組み」に縛られてはいけない 高等哺乳類が証明している「老いの価値」 第4章 「今」を楽しめばボケ知らず 「老いる」とは「今」を楽しむ特権を得ること 老後にする勉強がいちばん楽しい 考え続けていれば新しい発見が必ずある 知らなかった楽しさに出合える贅沢 苦手なことには手を出さないほうがいい 年を取ると「承認欲求不満」に陥りやすくなる マイナーな趣味のほうが承認欲求を満たしやすい 劣等感を抱くようなことをわざわざする必要はない 人との適度な交流は豊かな老後に欠かせない 嫌いな相手の話にもちゃんと耳を傾ける 脳の老化を遅らせること=認知症予防ではない 歯周病菌対策はやっておいて損はない 年を取るほど認知症であるのが「正常」になる テクノロジーの恩恵を受ければ死ぬまで楽しめる 第5章 死は人間にとって「自然な終了」 「いつか死ぬ」が現実感を伴わない理由 死は生物に共通の宿命ではない 「死ぬ能力」が進化を可能にした 死は決して「残酷な仕組み」などではない 植物にはできて人間にはできないこと 不死を望むならバクテリアになるしかない 死への恐怖は自我を得たことの副作用 死を恐れるのは人間特有の錯覚? 死への恐れが消えると生の実感も失われる 変わり続けることが自我の本質 命が無限だと恐ろしく退屈な毎日になる 「死後の世界」は人間が発明した安心材料 科学も人間がつくった装置にすぎない 死後の世界は自分に都合よくつくることができる 安楽死は本当に自由な選択だと言えるのか 自然に訪れるはずの死を制度にすると社会が歪む 「今を楽しく生きる」ことこそが本当の終活 第6章 「人生の意味」から解放されれば楽になる すべてに「意味」があるとは限らない ダーウィンも悩んだ「ヒトのハダカ」問題 ヒトがハダカであることに意味はない 「意味がある」と思い込むから生きづらくなる 「人生の意味」が自分を縛る呪縛にもなる 時代や状況に応じて「正解」は変わっていく 「人為的地球温暖化説」が「真実」とされる理由 人間が出すCO2は気温にたいした影響は与えない 20年先の気温が正確に予測できるはずはない 危険を過小評価する「正常性バイアス」の罠 状況に応じて行動を変えるほうが合理的 「適当に生きる」とはどういうことか